2010年7月20日火曜日

シンディゴ:新道弘之 2010.7月16日 美山ちいさな藍美術館 


7月15日美山かやぶきの里の新道さんの工房を訪ねました。藍染めに使う良い灰を求め、家族と移り住み、30年になるそうです。藍工房の2階は「ちいさな藍美術館 」として、新道さんが研究の為に若い頃から収集された世界各地の美しい布や衣装の一部が展示されています。
新道さんは、作品をつくるだけではなく、浴衣や手ぬぐいもつくります。ちいさな端切れは、大事に、お母様の手でパッチワークの美しい布となったり、奥様の千賀子さんによって、愛らしい袋ものになります。以前伺った時に、浴衣が欲しいとお願いしていましたので、今回、いくつか見せて頂いて、薄いクリーム色の柔らかい綿のものを、浴衣より長く着られていいという千賀子さんの勧めで、単衣の着物に仕立てることにしました。
有名な作家だと知らなくても、手ぬぐいを使い心地や品質の良さで、気に入ってくれる人が「あれいいわ、また同じものを頂戴」とここへ買いに来るそうです。本来テキスタイルデザインはこうでなくっちゃね!って思います。
新道さんは、伝統的な絞り技法を研究し独自の技法を生みだし、インディゴと新道を合わせて「シンディゴ」と名付けました。彼の作品は、藍染の技術が主役にならず、無用なものをそぎ落としたミニマルで、しかも、ふっくらと風合いのある心地よいシンプルなものです。それは、彼の技術と表現に対する絶妙のバランス感と空間に対するセンスによるもので、私は、とても素晴らしいと思います。

2010年7月10日土曜日

アルメル・バロー 2010.7月10日 清課堂ギャラリー

アルメルさんは、ヴィラ九条山 のアーティスト・イン・レジデンス・プログラムにより、9月中旬まで2ヶ月余り京都に滞在し、今は、日本で最も古い金属工芸の専門店、清課堂 ギャラリーの蔵で作品を制作中です。何か制作の事で、私に聞きたいというので、会いに行きましたが、大して役に立つアドバイスは出来ませんでした。
彼女は、アニメーションを学んだ後、ボビンレースを学び、伝統的なテクニックと自身のオリジナル性を巧く合わせた金属線での表現をしています。一筆書きのように流動的で、絵コンテのような繊細なスケッチのパーツを眺めていると、光によって壁に映る影がそれぞれに動き出して、楽しいストーリーを展開してくれます。
清課堂オーナー山中源兵衛さんのブログによると、フランスのメゾン・エ・オブジェで彼女の作品に出会い、日本で展覧会をするよう誘われたそうです。9月11日〜20日まで、蔵でのインスタレーションが公開されますが、きっとステキな展覧会になるでしょう。
追記
8月31日は、アルメルさんに、川島テキスタイルスクール 在校生対象のワークショップをお願いしています。
清課堂の奥様、やまなかかずこ さんは金属素材を使った美しいジュエリーやオブジェをつくられる作家です。